localhostを爆速でインターネットへ安全に公開する「Cloudflare Quick Tunnels」、たった1つのコマンドで暗号化された公開URLを作成可能でアカウント・DNSレコード・ポート開放は一切不要

PC上で開発中のWebアプリを外部から確認するには、ポート開放やサーバー設定などの手間がかかります。以前レビューした「Cloudflare Tunnel」からさらに手軽になり、アカウント登録不要かつコマンド1つで利用可能でAI向けのJSON出力にも対応した「Cloudflare Quick Tunnels」を実際に使ってみました。
Cloudflare Quick Tunnels
https://try.cloudflare.com/

◆Cloudflare Quick Tunnelsをインストール
今回はWindows11にパッケージマネージャーのWinGetが利用できる環境で、以下のコマンドを実行してコマンドラインツール「cloudflared」をインストールするだけで準備完了です。
winget install Cloudflare.cloudflared
◆localhostを1コマンドでインターネットへ公開
動作確認用として作業フォルダーに「index.html」を作成。Git for WindowsのGit Bashを利用する場合。
echo "Cloudflare Quick Tunnels Test" > index.html
Pythonの簡易HTTPサーバーを8000番ポートで起動します。
python -m http.server 8000
ブラウザで「http://localhost:8000」へアクセスすると、PC内だけで動作しているテストページを確認できます。

続いて別のGit Bashを開き、以下のコマンドを実行します。
cloudflared tunnel --url http://localhost:8000
CloudflareアカウントへのログインやDNS設定を行わなくてもランダムな文字列を含む「trycloudflare.com」のURLが発行されます。

◆スマートフォンからlocalhostへアクセス
発行されたURLをPCとは別回線のモバイルデバイスで開くとテストページが表示されました。

これは外部からPCへ直接接続しているのではなくcloudflaredからCloudflareへ確立した外向きの暗号化接続を経由してリクエストをlocalhostへ届ける仕組みで、ルーター側に受信用ポートを開放する必要がありません。

◆メールアドレスでアクセスを制限
通常のQuick TunnelはURLを知っている人なら誰でもアクセスできてしまいますが、「--allowed-mail」オプションを付けることで指定したメールアドレスへ送信されるワンタイムPINによる認証を追加できます。
cloudflared tunnel --url http://localhost:8000 --allowed-mail [email protected]
生成されたURLへアクセスするとメールアドレスの入力画面が表示されるので「Email」に設定したメールアドレスを入力して「Send login code」をクリック。

メールアドレスへ認証コードが送信されるので「Code」に入力し「Verify」をクリック。

テストページが表示されます。

◆AIエージェントから扱えるJSON形式にも対応
コマンドに「--output json」オプションを付けて実行すると…
cloudflared tunnel --url http://localhost:8000 --output json
スクリプトやAIコーディングエージェントが解析しやすいJSON形式で情報を取得できます。

◆Quick Tunnelsは開発・テスト向け
Quick Tunnelsは一時的な開発環境向けの機能で「cloudflared」を終了すると公開URLも利用できなくなり、新しくTunnelを作成するたびにホスト名も変化します。
また、1つのQuick Tunnelで処理中にできるリクエストは最大200件で、Server-Sent Events(SSE)にも対応しておらず、Cloudflareも本番環境では通常のCloudflare Tunnelを利用するよう案内しています。
◆Cloudflare Quick Tunnelsの評価
ソーシャル系ニュースサイトのHacker Newsでは、Cloudflare Quick Tunnelsについてさまざまな議論が行われており、「Homebrewでインストールして15秒ほどで動作するTunnelを作成できた」という評価がある一方、「Cloudflare Quick Tunnelsは5年以上前から存在しており、2021年の機能であることをタイトルに示すべき」という意見も投稿されています。
また、ngrokの創業者はngrokでは匿名利用がサービス上の悪用の大きな原因となったため以前に廃止したとして、アカウント不要の匿名Tunnelについてセキュリティ面から懸念する意見を投稿しています。これに対してCloudflare Tunnelの開発に携わっていたadamch氏は「Tunnelに取り組んだことは自分のキャリアのハイライトで、バグ修正や機能追加、アーキテクチャ設計などに取り組んだ」と説明しています。
Quick Tunnelsでは外部からPCへ直接通信を受け入れる代わりにcloudflared側からCloudflareへ接続しますが、生成されたURL自体は公開URLとなるため、機密情報を含む開発環境では「--allowed-mail」による認証を組み合わせるなど、公開範囲を意識した利用が重要です。
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