Microsoftによる「Call of Duty」PlayStation版供給継続の約束をSIEは信用していない

Microsoftは人気FPS「Call of Duty(CoD)」シリーズなどで知られるゲームパブリッシャー「Activision Blizzard」の買収話を進めていますが、市場の独占につながる恐れがあるとして規制当局の調査を受けています。Microsoftは買収を円滑に進めるための策の1つとして、SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)に対し、CoDシリーズをPlayStation向けに継続的に提供すると述べているのですが、SIEはかつてMicrosoftがゲームパブリッシャー「Bethesda」の親会社・ゼニマックスを買収した一件があることから、慎重な姿勢を見せています。

Why Sony says it can’t trust Microsoft’s Call of Duty offer? One word: Bethesda | Ars Technica
https://arstechnica.com/gaming/2023/03/sony-cites-bethesda-exclusives-in-doubting-microsofts-call-of-duty-promises/

2022年1月、MicrosoftがActivision Blizzardの買収を発表しました。買収額は687億ドル(当時のレートで約7兆9000億円)に上る、大型案件です。

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Activision Blizzardは人気FPS「Call of Duty」シリーズを作っていることから、Microsoftに対しては、CoDをXbox独占にするつもりではないかという疑いが持ち上がりました。規制当局も市場独占の恐れを懸念し、連邦取引委員会がMicrosoftを提訴しました。

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一方で、Microsoftは「PlaystationでもCall of Dutyを出し続ける」と疑いを否定。

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任天堂およびNVIDIAに「CoD」を10年間供給する契約を結びました。

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SIEが慎重な姿勢を崩さない理由の1つに、2020年～2021年に行われたMicrosoftによるベセスダ・ソフトワークスとその親会社ゼニマックス・メディアの買収があります。SIEはイギリスの競争・市場庁(CMA)に提出した書類の中で、ベセスダの買収案件を、欧州委員会が「競争上の懸念を引き起こさない」として承認したにも関わらず、「Starfield」をPlayStationでは発売しないと決定したことを指摘。この一件では、ベセスダの幹部が謝罪する事態になっています。

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by Natty Dread

SIEは、Microsoftが任天堂と締結したような「10年間CoDを供給する」という契約についても、不安を解消するものではないと述べています。

また、仮にCMAが、CoDをマルチプラットフォーム化するための「行動的救済措置」を実施しようとしても、Microsoftが義務を回避するための無数の方法には対処できないとSIEは指摘しています。

この一件について、CMAは2023年4月26日までに最終決定を下す予定となっています。

なお、Microsoftは2023年3月14日に新たにクラウドゲームプラットフォームのBoosteroidにXboxのゲームを10年間提供する契約を結んだと発表しています。