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火山灰に埋もれた古代ローマの巻物を解読したら3000万円がゲットできる「ヴェスヴィオ・チャレンジ」


ヴェスヴィオ火山の噴火で灰に埋もれた古代ローマの都市から出土した古文書を、テクノロジーの力で解読するコンテスト「Vesuvius Challenge(ヴェスヴィオ・チャレンジ)」が2023年3月15日にスタートしました。2023年中に解読に成功したチームには、賞金25万ドル(約3300万円)が授与されます。

Vesuvius Challenge
https://scrollprize.org/

今回チャレンジの目標とされているのは、ポンペイとともに世界遺産に登録されているヘルクラネウムの都市遺跡から出土した古代ローマの巻物「パピルス」の解読です。

西暦79年のヴェスヴィオ山噴火で火山灰に没したヘルクラネウムには、ユリウス・カエサルの義父であるルキウス・カルプルニウス・ピソ・カエソニヌスが所有していたとされる邸宅があり、「パピルス荘」とも呼ばれているその図書館からは蔵書の「ヘルクラネウム・パピルス」が多数発掘されました。

パピルス荘の再現図。

by Rocío Espín

しかし、パピルスは炭化してもろくなっており、開いて読もうとする初期の試みの多くはパピルスを粉々に破壊する結果に終わっています。そこで、死海で発見された「エン・ゲディ文書」の解読に成功した実績を持つケンタッキー大学のブレント・シールズ博士らが目を向けたのが、X線を用いた透視技術です。

シールズ博士は、2019年からパピルスをスキャンする研究を行ってきましたが、2023年初頭にパピルスの文字の一部を特定することに成功し、研究が大きく前進しました。


この成果により解読がにわかに現実味を帯びるようになりましたが、巻物はきつく巻かれた上に折れ曲がっていて文字もゆがんでおり、そこからスキャンされたデータも不鮮明で人間の目には読み取れません。シールズ博士らの研究チームは機械学習モデルによる解読を進めていますが、モデルにはまだ改良が必要な状況です。


こうして、シールズ博士率いるケンタッキー大学のEduceLabチームや、投資家でGitHubのCEOを務めた経歴もあるナット・フリードマン氏らが中心となって、パピルスを解読できた人や、解読の糸口となる功績を挙げた人に賞金を出す今回の「ヴェスヴィオ・チャレンジ」が開かれることになりました。

チャレンジの対象となるのは、無傷のパピルス2点。エントリーしたチームには、これらのパピルスの全体スキャンデータ「フルスクロール」(4.7TB)と、3つある断片のスキャンデータ「フラグメント」(1.6TB)のダウンロードリンクが提供されます。


2023年6月14日までに、パピルスに文字を記したインクの位置を特定できたチームには賞金5万ドル(約660万円)、12月31日までにパピルスを読むことに成功したチームには賞金15万ドル(約2000万円)が授与されるほか、特別賞5万ドルも用意されており、最初に単独で巻物を解読したチームは合計で25万ドルを手にすることになります。

フリードマン氏はTwitterで「粒子加速器とAIを使って、滅びた帝国の失われた蔵書を読み解きましょう。人々は275年もの間、ヘルクラネウム・パピルスを読み取ろうとしてきました。あなたの力で、2023年にそれを成し遂げようではありませんか」と呼びかけて、ヴェスヴィオ・チャレンジの開催を告知しました。

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in メモ, Posted by log1l_ks

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