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GPSの電波は超微弱


GPSなどの衛星測位システムは、地図アプリやカーナビ、写真の撮影場所記録など多様な分野で活用されています。そんなGPSの信号の仕組みをGPSを用いた測位アプリ「Gypsum」の作者であるフィリップ・テネン氏が解説しています。

Building a GPS Receiver, Part 1: Hearing Whispers | Phillip Tennen
https://axleos.com/building-a-gps-receiver-part-1-hearing-whispers/

GPS衛星は「正確な時間」と「衛星の位置」を地球に送信しています。GPS衛星は30基以上が稼働しており、そのうち4基の信号を受信することで、正確な位置情報を算出できます。

GPS衛星が発する電波は非常に微弱で、受信機に届く電波の強度はマイナス130dBmにまで低下しています。テネン氏はGPS信号を受信する難しさを「2万km先に設置された電球がオン・オフを毎秒100万回繰り返す様子を観察するようなもの」と表現しています。

さらに、地球上では多様な電波が飛び交っており、GPS衛星が発する電波よりも強度の強いノイズが大量に存在しています。市販のスマートフォンやカーナビなどは大量のノイズの中からGPS信号を探し出して位置情報を算出しているというわけです。


GPS衛星は衛星ごとに異なる「PRN符号」と呼ばれる信号を1秒間に1000回発しています。GPS受信機はPRN符号を読み取ることで、「どのGPSからの信号なのか」を識別することができます。

GPS衛星は軌道上を高速で移動しているため、発信される信号にはドップラー効果が発生します。このため、GPS受信機はドップラー効果の影響も加味しつつ、自身に保存されているPRN符号の情報と受信した電波の情報を照合する必要があります。


テネン氏はGPSについて調べた情報を活用して、ソフトウェア無線機用の受信機でGPS信号を用いた測位を可能にするアプリ「Gypsum」を開発しています。Gypsumは以下のリンク先で公開されています。

GitHub - codyd51/gypsum: GPS receiver from a raw antenna 🛰️
https://github.com/codyd51/gypsum

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in ソフトウェア, Posted by log1o_hf

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