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MicrosoftとOpenAIがAIスパコン「Stargate」を含む15兆円超のデータセンタープロジェクトを計画中との報道


MicrosoftとOpenAIが、2028年に稼働予定の「Stargate」と呼ばれる人工知能(AI)スーパーコンピューターを含む、1000億ドル(約15兆円)規模のデータセンタープロジェクトの計画に取り組んでいると、The Informationが報じました。

Microsoft and OpenAI Plot $100 Billion Stargate AI Supercomputer — The Information
https://www.theinformation.com/articles/microsoft-and-openai-plot-100-billion-stargate-ai-supercomputer

Microsoft, OpenAI plan $100 billion data-center project, media report says | Reuters
https://www.reuters.com/technology/microsoft-openai-planning-100-billion-data-center-project-information-reports-2024-03-29/


Report: Microsoft to build ‘Stargate’ supercomputer with millions of chips for OpenAI - SiliconANGLE
https://siliconangle.com/2024/03/29/report-microsoft-build-stargate-supercomputer-millions-chips-openai/


Microsoft & OpenAI consider $100bn, 5GW 'Stargate' AI data center - report - DCD
https://www.datacenterdynamics.com/en/news/microsoft-openai-consider-100bn-5gw-stargate-ai-data-center-report/

OpenAI and Microsoft reportedly planning $100 billion datacenter project for an AI supercomputer | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/tech-industry/artificial-intelligence/openai-and-microsoft-reportedly-planning-dollar100-billion-datacenter-project-for-an-ai-supercomputer

生成AIテクノロジーの急速な発展により、従来のデータセンターよりも高度なタスクを処理できるAI向けのデータセンターに対する需要が急増しています。このような状況を受け、OpenAIがAI向けデータセンターを構築すべく計画を進めていると、The Informationが報じました。The Informationに情報を提供した「プロジェクトに精通しているという匿名の関係者」によると、このAIデータセンターは既存の最大規模のデータセンターの100倍もの費用がかかると予想されており、そのためMicrosoftが資金提供を行う可能性が高いとのことです。


OpenAIはすでにMicrosoftのインフラストラクチャーを利用してAIモデルをトレーニングしており、Microsoftは2020年にOpenAIとの提携の一環としてスーパーコンピューターサービスをクラウドコンピューティングサービスであるAzureで提供すると発表。このスーパーコンピューターは1万基のGPUを利用したものとなっており、当時のスーパーコンピューターとしては世界で5番目に高い性能を誇っていました。

Microsoftが28万5000基のCPUコアと1万基のGPUを搭載したスーパーコンピューターをOpenAIと連携して開発 - GIGAZINE


その後、2023年1月になってMicrosoftはOpenAIに対して数千億円規模の出資を行い、長期的なパートナーシップを締結したことを発表。さらに、2023年3月には上記のAzure向けに構築したスーパーコンピューターがアップグレードされ、数万個のA100チップを搭載したことなどが明らかになっていました。

数百億円超を費やしてMicrosoftがChatGPTの開発元であるOpenAIのためにAI開発用のスパコンを構築 - GIGAZINE


報道によると、Microsoftは2030年までにいくつかの追加のAIインフラストラクチャーを構築する予定で、この計画は5段階のフェーズに分かれており、記事作成時点は第3フェーズに相当する模様。第4フェーズにおいて新しいスーパーコンピューターの構築が計画されており、これは2026年頃になると予想されています。そして、第5フェーズでは「Stargate」と呼ばれる新しいAI向けスーパーコンピューターの構築が計画されており、構築には数百万個のチップが用いられ、早ければ2028年にも稼働する予定とのことです。このStargateはMicrosoftとOpenAIが構築を検討しているものの中では最大規模のものになると予想されていますが、AIチップの供給面がネックとなる可能性が挙げられています。

近年、AIチップの重要が拡大しており、大手半導体メーカーのNVIDIAは2024年3月に生成AI向けの新しいGPUアーキテクチャ「Blackwell」と、これを採用した新しいAI向けチップの「B200」を発表しています。なお、NVIDIAのジェンスン・フアンCEOは、2024年3月にCNBCに対して「B200」の販売価格が3~4万ドル(約450万~600万円)になると語りました。

NVIDIAが数兆パラメータ規模のAIモデルを実現するGPUアーキテクチャ「Blackwell」と新GPU「B200」を発表 - GIGAZINE


Microsoftも2023年11月に独自設計のAI特化チップ「Maia 100」を発表しており、このチップが2024年中にMicrosoftのデータセンターへ配備され、Microsoft CopilotやAzure OpenAI Serviceの機能強化に役立てられる予定であることを明かしました。

Microsoftが独自設計のAI特化型チップ「Maia 100」とArmプロセッサ「Cobalt 100」を発表 - GIGAZINE


なお、OpenAIは次世代大規模言語モデルのGPT-5を開発中で、2024年夏にもリリースされる見込みであるため、StargateがGPT-5のトレーニングに活用される可能性は低いとSiliconANGLEは指摘しています。

OpenAIの次世代大規模言語モデル「GPT-5」が2024年夏に公開されるとの報道 - GIGAZINE

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in ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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