動画

M3チップ搭載MacBook Airのコア温度はピーク負荷時に114度に達して同じM3搭載MacBook Proよりパフォーマンスが低下することが判明


2024年3月にAppleが発売したM3チップ搭載のMacBook Airをガジェット系YouTubeチャンネルのMax Techがレビューしたところ、高負荷時にはプロセッサのコア温度が最高でセ氏114度に達することがわかりました。ストレステストでは、M3搭載MacBook Airのコア温度は次第に下がるものの、サーマルスロットリングによりパフォーマンスが低下したことも報告されています。

M3 MacBook Air Overheating - What was Apple Thinking?! - YouTube


M3 MacBook Air hits eye-popping 114 degrees Celsius in stress test and didn't melt — temperature settles down at 100 degrees after thermal throttling | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/laptops/macbooks/m3-macbook-air-hits-eye-popping-114-degrees-celsius-in-stress-test-and-didnt-melt

M3 MacBook Air Peak CPU Temperature Can Reach 114 Degrees Celsius, 33% Slower Than MacBook Pro With Same Chip Due To Lack Of A Fan
https://wccftech.com/m3-macbook-air-severely-throttles-under-load/

Max Techのバディム・ユリエフ氏が持っているのが、2024年に登場したM3搭載の15インチMacBook Airです。


ユリエフ氏はM3搭載MacBook Airがどれほど熱くなるのか、過熱した際に性能を落としてプロセッサの温度を下げるサーマルスロットリングが働くのかをテストしました。


なお、比較対象にはM3チップ搭載の14インチMacBook Proを使っています。


MacBook Airはヒートシンクシャーシによるパッシブ冷却のみを採用することで静音動作を実現していますが、負荷の高いワークロードを実行するとプロセッサが熱くなる可能性があります。一方、MacBook Proは冷却ファンを採用したアクティブ冷却を行っています。


まずは定番ベンチマークアプリのGeekBench 6でテストしました。


その結果、シングルコアCPUのスコアはMacBook Airが3149、MacBook Proが3143とほぼ同程度を記録。


マルチコアCPUではMacBook Airが12038、MacBook Proが11572とわずかながらMacBook Airが上回りました。


さらにユリエフ氏は、3Dベンチマークソフトの3DMarkに用意されている最高負荷バージョン「Wild Life Extreme」を使用し、M3搭載MacBook AirとMacBook Proの性能テストを実施しました。


3DMarkのWild Life Extremeのストレステストは約20分間にわたりコンピューターへ高負荷をかけ、デバイスのパフォーマンスとプロセッサの熱を計測することができます。


テストを開始した直後、MacBook AirとMacBook ProのGPU消費ワット数はいずれも15W程度で大きな差はありません。これは、まだサーマルスロットリングが発生していないことを意味しています。


ところが、数分ほどテストを続けていると、MacBook AirのGPU消費ワット数が13~12.8Wほどまで低下しました。


プロセッサのコア温度は最高でセ氏114度、GPUの平均温度はセ氏103度に達しています。


一方、MacBook ProのGPU消費ワット数はテスト開始直後よりわずかに高い16.5~16.8Wほどで安定的に推移しており、サーマルスロットリングが起きている様子はみられません。


プロセッサのコア温度はこちらも最高でセ氏114度に達していますが、GPUの平均温度はセ氏100度以下にとどまっています。


その後もテストを続けると、MacBook AirのGPU消費ワット数は8.6Wほどまで低下しました。


これに対し、MacBook ProのGPU消費ワット数は依然として16Wを超えており、MacBook Airでは高負荷時にサーマルスロットリングが働くことがわかります。


サーマルカメラでMacBook Airの表面温度を測定してみると、プロセッサのある部分はセ氏46度まで上がっています。


一方のMacBook Proでは、表面温度がセ氏41度に抑えられています。また、熱源の分布からファンによる冷却が機能していることもうかがえました。


3DMarkの「Wild Life Extreme」でストレステストを行った結果が以下。MacBook Airのスコアが5916なのに対し、MacBook Proは7933を記録しており、MacBook Airの性能はMacBook Proより約25%低くなりました。


この差は、MacBook Airではサーマルスロットリングによって次第にパフォーマンスが下がった一方、MacBook Proではサーマルスロットリングが発生せず一定のパフォーマンスを発揮し続けたことが理由です。


なお、その後もテストを行ったユリエフ氏は、MacBook Airは消費電力が減る割にパフォーマンスの低下はそれほど大きくないため、長時間にわたる高負荷のワークロードを実行しないユーザーであれば、MacBook Airでも問題ないとの見解を示しました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
AppleがM3チップ搭載MacBook Airを発表、Intel機の13倍高速で2画面同時出力も可能 - GIGAZINE

Apple M3シリーズのCPUコアはM1からどう変わったのか? - GIGAZINE

AppleがM3シリーズ搭載の新しい「MacBook Pro」を発表 - GIGAZINE

M3チップファミリー搭載MacBook Pro海外レビューまとめ、「値段に見合った性能」「8GBという最小メモリ構成には疑問を抱く」との声も - GIGAZINE

MacBook Airに取り付けてMacBook Proと同等の性能を引き出す冷却システム「AirJet」とは? - GIGAZINE

MacBook Proの熱問題を解決してパフォーマンスを上げる方法 - GIGAZINE

AppleがMacBook Proで起きていた熱で「CPU本来の性能が出ない」問題を修正するソフトウェアアップデートをリリース - GIGAZINE

in ハードウェア,   動画, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.