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ChatGPTに対する著作権侵害訴訟の前半戦でOpenAIがほぼ全面勝利、作家3人の訴えの大半が却下される


「同意なく自分たちの書籍がAIのトレーニングに使用された」として、3人の作家がOpenAIを相手に起こした著作権侵害訴訟で、OpenAI側の主張のほとんどを認める判決が下されました。

Judge dismisses most of Sarah Silverman's lawsuit against OpenAI | VentureBeat
https://venturebeat.com/ai/judge-dismisses-most-of-sarah-silvermans-copyright-infringement-lawsuit-against-openai/

Judge rejects most ChatGPT copyright claims from book authors | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2024/02/judge-sides-with-openai-dismisses-bulk-of-book-authors-copyright-claims/

Court Dismisses Authors’ Copyright Infringement Claims Against OpenAI * TorrentFreak
https://torrentfreak.com/court-dismisses-authors-copyright-infringement-claims-against-openai-240213/

2023年7月に、コメディアンで作家のサラ・シルバーマン氏を含む3人の作家が、「インターネット上に違法に流通している海賊版の作品でAIをトレーニングしたOpenAIの行為は著作権侵害に当たる」として、OpenAIを訴えました。

OpenAIとMetaが著作権侵害で3人の作家から訴えられる - GIGAZINE


シルバーマン氏ら原告の訴えは、大きく分けて「1:直接的な著作権侵害」「2:間接的な著作権侵害」「3:デジタルミレニアム著作権法(DMCA)違反」「4:カルフォルニア州不公正競争法(UCL)違反」「5:過失」「6:不当利益」の6件の訴因で構成されています。

これを不服としたOpenAIは2023年8月に、「直接的な著作権侵害」を除く5件の訴因の却下を求める即時抗告を行っていました。そして、カリフォルニア地方裁判所のアラセリ・マルティネス・オルギン判事は今回の判決で、OpenAIが却下を求めていた訴因5件のうち4件を却下しました。

原告となった作家らの訴えの中で、唯一認められたのは「UCL違反」です。シルバーマン氏らはこの件について、「OpenAIが著作者の許可を得ることなく著作物をChatGPTの学習に使ったのは、UCLに違反する不公正な商行為である」と主張していました。

マルティネス・オルギン判事は判決文の中で、UCLでは「不公正」の定義が意図的に広く取られていることを指摘した上で、「OpenAIが商用AIモデルのトレーニングに著作物を使用したという原告の主張が事実なら、それはUCLが規定する不公正な商行為に該当する可能性があります」と述べて、作家らの主張を認めました。


これ以外の4つの訴因は認められませんでしたが、特に重要な判決とされているのが「間接的な著作権侵害」の訴えの却下です。前提として、原告は最初の訴因である「直接的な著作権侵害」で、著作物をトレーニングさせたOpenAIの言語モデルはそれ自体が権利を侵害する二次的著作物であると訴えていました。

そして、2つ目の訴因では言語モデルから出力された文章もまた二次的著作物であるとしていましたが、マルティネス・オルギン判事は「『OpenAIの言語モデルの出力はすべて侵害的な二次的著作物である』という原告らの主張は不十分です。原告は、成果物とは何のことかを説明しておらず、特定の成果物が原告らの書籍と酷似している、またはほぼ同じであると主張できていません」と述べて、具体性の欠如を指摘しました。


この判決は、OpenAIがトレーニング目的で書籍を丸ごと言語モデルに取り込み、ChatGPTがそれを正確に要約できたからといって、その要約や書籍に関するChatGPTの応答が著作権侵害に該当するとは限らない、と裁判所が判断したことを意味しています。

マルティネス・オルギン判事はまた、OpenAIがAIトレーニング用に書籍を複製する際に「著作権管理情報(CMI)」を削除したのは著作権侵害だとした「DMCA違反」や、OpenAIには原告らの著作権を守る法的義務があったとする「過失」、OpenAIが原告の著作物から不当に利益を得たと主張する「不当利益」の3つの訴因についても、それぞれ却下しました。


OpenAIは即時抗告の際に、唯一却下を求めなかった直接的な著作権侵害の訴えについても「裁判の後半部分で破ることができる」との見通しを示しており、著作権訴訟の後半戦も有利に進められるとの自信をのぞかせています。

原告の作家らは今後、2024年3月13日までに訴状を修正して再提訴することができます。IT系ニュースサイトのArs Technicaは、OpenAIおよび原告の作家らとその弁護士にコメントを求めましたが、回答は得られませんでした。

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in ソフトウェア, Posted by log1l_ks

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