Googleドライブのデータ消失問題は「修正済み」とGoogleが主張、直ってないと反論するフォーラムのスレッドを閉鎖

by blunkswife

2023年11月に、デスクトップ版Googleドライブで約半年分のデータが突然消滅する不具合が発生していた問題で、Googleは12月7日に復元手順を公開しました。Googleの公式フォーラムには、問題がまだ解決していないと訴えるユーザーからの書き込みが相次いでいましたが、スレッドがGoogleによってロックされてしまったことが報じられています。

Google calls Drive data loss “fixed,” locks forum threads saying otherwise | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2023/12/google-calls-drive-data-loss-fixed-locks-forum-threads-saying-otherwise/

Googleは、Googleドライブのデスクトップアプリのバージョン84.0.0.0から84.0.4.0で発生した謎のファイル消失を「同期の問題」と形容しており、調査後に公開したヘルプドキュメントには「ドライブに同期されていないローカルファイルにアクセスする際に問題が発生した場合は、以下のいずれかの解決策の手順に従ってファイルを回復してください」と記載されています。

しかし、IT系ニュースサイトのArs Technicaは「ただの同期の問題なら、ファイルがクラウドとの間でうまく同期されないことを意味するだけでなので、ファイルを完全に失った人がいることの説明にはなりません」と指摘しました。

Ars Technicaによると、この問題を報告するフォーラムには、スプレッドシートやドキュメントのデータが消えたと訴える人が複数いるとのこと。消えたファイルはいずれもデスクトップアプリではなくウェブインターフェース、つまりブラウザ経由で作成および保存されたものなので、デスクトップアプリの影響は不明です。多くのユーザーはファイルが保存されなくなってしまった時期を「2023年5月」としており、中にはデスクトップアプリを使ったことさえないという人もいました。

Googleは問題の詳細や、具体的に何をどう修正したのかを明らかにしていませんが、Ars Technicaはデフォルトの同期方法であるファイルストリーミングモードが原因ではないかと推測しています。

このモードでは、データがクラウドに保存され、ファイルへのウェブリンクだけが提供されるため、ストレージの使用量を節約することが可能です。Ars Technicaによると、今回の不具合では同期に問題が発生し、アップロード前にファイルがPCから削除されてしまったと考えられるとのこと。ただし、ウェブドキュメントまで見つからなくなったというクレームの説明がつかないため、他の不具合が絡んでいる可能性もあります。

Googleは、この問題の解決策が明かされる前にフォーラムをロックして返信を行えないようにしたほか、別のスレッドも「重複」としてロックしました。これについてArs Technicaは「問題を診断し、修正方法を伝えるためのスペースを奪うことは、Googleがユーザーを助けることよりも評判に傷がつかないようにすることに関心を持っているのではないかという感覚を助長します。また、解決策の投稿に返信することもできなくなっており、Googleがユーザーからのフィードバックやサポートを得るための最も簡単な手段を遮断した以上、修正の効果を評価することも困難です」と評しました。

ロックされる前のスレッドに寄せられた少数の返信のほとんどは、Googleの修正が機能していないことを示す内容です。あるユーザーはこの修正を「完全なセーブ失敗(BS)」と呼び、「解決策がほとんどの人に機能しなかった」と述べました。また、別のユーザーは「Googleドライブのファイルが削除されたので、復元はできません。この『修正』は修正なんかではありません」とコメントしたほか、Dropboxに移行するのでもうGoogleドライブは使わないと宣言する人もいました。