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マグネット対応のワイヤレス充電規格「Qi2」準拠デバイスが2023年末のホリデーシーズンに続々登場


ワイヤレス充電の国際標準規格を策定する業界団体・Wireless Power Consortium(WPC)が2023年11月15日に、磁気アタッチメントをサポートした次世代規格「Qi v2.0(Qi2:チーツーと発音)」対応デバイスが認定テストを終了し、最初の製品が2023年のホリデーシーズンまでに登場する見通しであると発表しました。

Qi v2.0 Standard for Wireless Charging Is Now Ready to Provide Enhanced User Experience | Business Wire
https://www.businesswire.com/news/home/20231115984149/en/

Qi2 wireless charging spec is here, offering speed boosts and magnets | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2023/11/qi2s-wireless-charging-brings-magnets-and-slightly-faster-speeds/

WPCは2023年1月、Qi2にAppleのMagSafeが採用されることを発表しました。また、9月には「Qi2」対応アクセサリーが2023年後半にも市場に投入されることが報じられています。

次世代ワイヤレス給電規格「Qi2」にAppleのMagSafe技術が採用される - GIGAZINE


2023年11月に元Googleシニアハードウェアエンジニア兼システム技術リーダーであるヤン・リーユ氏を新理事として迎えたWPCは11月15日に、「最初のQi2認証製品は、AppleのiPhone 15のラインナップと多数のパワートランスミッターを皮切りに、ホリデーシーズンに間に合うように発売される予定です」と発表しました。

Qi2は、2つのプロファイルで構成されています。1つ目は、AppleがWPCに提供したMagSafe技術をベースとした「Magnetic Power Profile(MPP)」で、2つ目はマグネットには対応していないもののQi2規格には準拠している既存のワイヤレス充電である「Extended Power Profile(EPP)」です。MPPの製品には「Qi2」のロゴが入れられ、EPPの製品には既存の「Qi」のロゴが使われるとのこと。


デバイスと充電器のコイルを調整し、より高速かつ効率的な充電を可能としたことで、Qi2準拠の充電器とデバイスは7.5Wから最大15Wでの充電が可能になります。これにより、Qi2デバイスはMagSafe充電器を使用したiPhoneと同じ速度で充電できるようになるほか、QiやMagSafe、あるいは独自の充電器を使用した際の充電速度に関する混乱も解消されました。つまり、Qi2認証を受けたデバイスと充電器であれば、どのメーカーの製品であっても15Wでの充電が期待できるということです。

WPC理事会のFady Mishriki会長は、「会員がQi v2.0をどんどん採用し、Qi2機器用アクセサリーのエコシステムを構築しているのはうれしい限りです。私たちは、Qi v2.0がワイヤレス充電の世界的デファクトスタンダードになるだろうと考えています」と話しました。


WPCによると、すでにBelkin、Mophie、Anker、AirchargeがQi2製品を事前発表しているほか、目下100機種以上のデバイスがテスト中、または認証テストの待機リストに入っているとのこと。

iPhone 15シリーズは「将来のQi2規格の充電器に対応」としてリリースされましたが、iPhone 15より前のMagSafe対応iPhoneでの互換性はわかっていません。IT系ニュースサイトのArs Technicaは、「それらの機種がMagSafeをベースに作られていること、そしてMagSafeがQi2のMPPの基盤であることを考えると、MagSafeとQi2の磁気リングは同じではないものの後方互換性を持つ可能性はあります」と述べました。

一方GoogleのPixel 8シリーズはQi2に準拠していませんが、標準のQi対応充電器を使うと最大12Wで充電できるほか、中には30Wで充電できるものもあるとのことで、Ars Technicaは「標準規格のサポートこそないものの、将来に向けた準備は整っています」と評価しました。

WPCは2023年1月のインタビューで、18カ月以内、つまり2024年半ばまでに15Wを超える急速充電に対応した「Qi2.1」が登場するとの見解を示しています。また、2025年にはコードレスキッチン規格の「Ki」も策定される予定です。

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in ハードウェア, Posted by log1l_ks

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