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Samsungが業界最大容量のメモリチップ「32Gb DDR5 DRAM」を発表、最大1TBのDRAM作成や消費電力削減が可能に


2023年5月に業界最先端の12nmクラスプロセスによる16Gb(ギガビット)DDR5 DRAMの量産開始を発表したSamsungが、16Gb DDR5 DRAMの2倍の容量となる「32Gb DDR5 DRAM」を発表しました。これは業界最大容量であり、最大1TBのDRAMモジュールの実現も可能になるテクノロジーであるとSamsungはアピールしています。

Samsung Electronics Unveils Industry’s Highest-Capacity 12nm-Class 32Gb DDR5 DRAM, Ideal for the AI Era – Samsung Global Newsroom
https://news.samsung.com/global/samsung-electronics-unveils-industrys-first-and-highest-capacity-12nm-class-32gb-ddr5-dram-ideal-for-the-ai-era


Samsung Unveils Industry's First 32Gbit DDR5 Memory Die: 1TB Modules Incoming
https://www.anandtech.com/show/20039/samsung-unveils-industrys-first-32gbit-ddr5-die-1tb-modules-incoming

Samsung Develops 32Gb DDR5 Chips That Will Enable Massive 1TB DRAM Modules | HotHardware
https://hothardware.com/news/samsung-32gb-ddr5

Samsung Unveils 32 Gb DDR5 DRAM, Paves Path For Up To 128 GB Memory Modules
https://wccftech.com/samsung-unveils-32-gb-ddr5-dram-up-to-128-gb-memory/

Samsung Paves The Way to 1TB Memory Sticks with 32Gb DDR5 ICs | Tom's Hardware
https://www.tomshardware.com/news/samsung-paves-the-way-to-1tb-memory-sticks-with-32gb-ddr5-ics

現地時間の2023年9月1日、Samsungが12nmクラスプロセスによる業界初かつ最大容量となる32Gb DDR5 DRAMを開発したと発表しました。Samsungはこれについて、「次世代DRAMテクノロジーにおけるSamsungのリーダーシップを確固たるものにし、大容量メモリの次の章を示すものです」と説明しています。


SamsungでDRAM製品および技術担当エグゼクティブヴァイスプレジデントを務めるファン・サンジュン氏は、「当社の12nmクラスプロセスによる32Gb DRAMは、最大1TBのDRAMモジュールを実現できるソリューションであり、AI時代における大容量DRAMに対する増大するニーズに応えるための理想的なソリューションでもあります。Samsungはメモリ技術の限界を打ち破り、差別化されたプロセスおよび設計技術を通じてDRAMソリューションを開発し続けます」とコメントしました。

なお、Samsungはすでに16Gb DDR5 DRAMを使用した512GBのDRAMモジュールを製造しているため、容量が2倍の32Gb DDR5 DRAMを用いることで、1TBのDRAMモジュールも実現可能です。ただし、このDRAMはRDIMMを採用したものとなります。

Samsungが業界初となる512GBのDDR5メモリを開発 - GIGAZINE


Samsungが最初のDRAMを開発したのは1983年のことで、当時開発したDRAMの容量はわずか64Kb(キロビット)でした。それから40年が経過し、Samsungの開発するDRAMの容量は50万倍にまで増加しています。Samsungではメモリの集積密度を高め、設計を最適化することで最先端のプロセスおよびテクノロジーを実現しています。これにより、単一のDRAMチップとしては業界最大容量の32Gb DDR5 DRAMが実現しており、これは同じパッケージサイズで16Gb DDR5 DRAMの2倍の容量を提供可能です。


16Gb DDR5 DRAMを使用して製造されたDDR5 128GB DRAMモジュールには、シリコン貫通電極(TSV)と呼ばれる技術が採用されていましたが、新しい32Gb DDR5 DRAMを利用することでTSVなしで128GBのDRAMモジュールを製造可能となります。これにより、16Gb DDR5 DRAMを使用したDDR5 128GB DRAMモジュールと比べて、消費電力を約10%削減することが可能です。そのため、データセンターなどの電力効率を重視するケースにおいて、32Gb DDR5 DRAMは最適なソリューションとなる模様。

また、Samsungは12nmクラスプロセスの32Gb DDR5 DRAMを基盤としてさまざまな需要を満たす大容量DRAMモジュールのラインナップを拡充予定。32Gb DDR5 DRAMはデータセンター向け製品だけでなく、AIや次世代コンピューティングなどを必要とする顧客にも供給予定とのこと。

Samsungは32Gb DDR5 DRAMのデータ転送速度については明らかにしていませんが、同じ12nmクラスプロセスで製造された16Gb DDR5 DRAMの場合、データ転送速度は7200MT/sです。なお、このデータ転送速度についてテクノロジーメディアのHotHardwareは、「この数値は一般的なIntelやAMDのシステムにモジュール形式でサポートされているメモリのデータ転送速度を大幅に上回ります」と説明しました。


なお、Samsungは12nmクラスプロセスの32Gb DDR5 DRAMの量産が、2023年末までに開始される予定としています。

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in ハードウェア, Posted by logu_ii

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