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Googleが「インドの独占禁止法当局がAmazonを守るためだけにビジネスモデルの変更を命じてきた」と非難


Googleはインドの独占禁止法当局であるインド競争委員会(CCI)が、Googleの競合他社であるAmazonを「守るためだけ」に、同社に対してビジネスモデルの変更を命じてきたと非難しています。

Google accuses India antitrust body of protecting Amazon in Android probe | Reuters
https://www.reuters.com/technology/google-accuses-india-antitrust-body-protecting-amazon-android-probe-2023-07-06/


Google alleges Indian antitrust authority used its position to protect Amazon - Neowin
https://www.neowin.net/news/google-alleges-indian-antitrust-authority-used-its-position-to-protect-amazon/

Google alleges India's antitrust agency protecting Amazon in Android case | Seeking Alpha
https://seekingalpha.com/news/3985852-google-alleges-indias-antitrust-agency-protecting-amazon-in-android-case

Competition Commission of India (CCI) | Google 'accuses' Competition Commission of India of protecting rival Amazon in anti-trust case - Telegraph India
https://www.telegraphindia.com/business/google-accuses-competition-commission-of-india-of-protecting-rival-amazon-in-anti-trust-case/cid/1950310

2022年10月、CCIは「Androidがスマートフォン市場での支配的な地位を乱用した」と認定し、Googleに対してAndroidのビジネスモデルを変更するよう命じました。

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CCIはGoogleに対してAndroidにおける10の仕様変更を求めており、詳細は以下の通り。

・Googleは、デバイスメーカーがYouTube、Gmail、ChromeブラウザなどのGoogleアプリをプリインストールすることを条件に、ユーザーがモバイルアプリをダウンロードするGoogle Playにライセンスを供与することを許可されるべきではありません。
・Googleは、デバイスメーカーに一連のアプリのプリインストールや配置の決定を強制すべきではありません。
・Googleは、スマートデバイス上の検索サービスの独占性を保証する契約を締結することを自制すべきです。
・Googleは、スマートフォンユーザーがGoogleマップ、Gmail、YouTubeなどのプリインストールアプリを削除することを制限すべきではありません。これらのアプリは現在、Androidスマートフォンから削除することができません。
・Googleは、初めて電話をセットアップする時に、ユーザーがすべての関連サービスに対して検索エンジンを選択できるようにする必要があります。
・Googleは、インドにおいてアプリストアを使用せずにアプリをダウンロードする「サイドローディング」に対していかなる規制も課すべきではありません。
・Googleは、Google Play上でサードパーティーのアプリストアのホスティングを許可する必要があります。
・競合他社やアプリ開発者は、Androidデバイスを動かす基盤となるソフトウェアシステムであるGoogle Playのプログラミングインターフェイスへのアクセスを拒否されるべきではありません。この指令は、Google Play上のアプリと、Androidの亜種に基づくサードパーティーアプリストアとの間の互換性を確保することを目的としています。
・Googleは、Androidの亜種をベースにしたスマートデバイスを販売しないメーカーに対してインセンティブを提供したり義務付けたりするべきではありません。
・GoogleはAndroidスマートフォンメーカーに対して、Androidの修正版をベースにしたタブレットやテレビなどの他のデバイスを開発することを制限すべきではありません。


GoogleはCCIとの訴訟の中で、インドの下級裁判所に対して「CCIは、独占禁止法に関する訴訟で欧州連合(EU)がアメリカ企業に対して下した判決の一部をコピー&ペーストしている」などと主張し、CCIの命令が不当なものであると主張していましたが、インドの最高裁判所はGoogleの訴えを一度退けています。

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これに対して、CCI側はAndroidのフォークを開発するAmazonの「Googleが課す制限により、Amazonが開発するAndroidのフォークであるFire OSが妨害されている」「AmazonのFire OS開発には多大なリソースがかかった」といった主張をベースに、Googleの訴えに対抗しています。

新たに、2023年6月26日にGoogleがインドの最高裁判所に提出した文書から、Googleは「CCIがGoogleに対して不利な決定を下す際に、Amazonの主張に不当に依存している」と主張していることが明らかになりました。

ロイターが独自のルートで入手したというGoogleがインドの最高裁判所に提出した文書は、1004ページにもおよぶ大ボリュームとなっている模様。この提出文書には「世界的にFire OSはユーザーエクスペリエンスが悪いため商業的に失敗しました。インドではFire Phoneが発売さえされていません」「CCIはAmazonがインドで競争しようとしなかったのは失敗であり、その原因をGoogleとの契約にあると指摘しています」「CCIの命令は、Androidのフォーク(Fire OS)を作成する試みがGoogleによる制限により機能しなかったと不満を述べたAmazonを保護するためだけに発行されたものです」などと記されているそうです。


ロイターは当事者にコメントを求めていますが、Googleは法的手続きが進行中であることを理由にコメントを控えており、Amazonもコメントを拒否しています。

なお、CCIは2022年10月にもGoogleに対して「サードパーティー開発者にサードパーティー決済処理システムの使用を許可しなかった」として1億1300万ドル(約160億円)の罰金を科しています。これにより、Googleはビジネスモデルを変更せざるを得なくなり、最終的にユーザー選択型決済(UCB)システムを導入することとなりました。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by logu_ii

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