ソフトウェア

Google Playから「ブラウザで海賊版サイトにアクセスできる」という理由で削除されたダウンローダーアプリが復活


Amazon Fire TVやAndroid TVのユーザーがブラウザ上のファイルをデバイスにダウンロードできる「Downloader」というダウンローダーアプリが、Google Playに復活しました。当該アプリは「組み込みのブラウザから海賊版サイトにアクセスできるから」という理由で2023年5月19日にGoogle Playから削除されましたが、開発者は「海賊版サイトにはChromeからでもアクセスできるのに、このアプリだけ削除されるのは不当だ」と抗議していました。

My Downloader app is back in the Google Play Store for Android TV & Google TV devices | AFTVnews
https://www.aftvnews.com/my-downloader-app-is-back-in-the-google-play-store-for-android-tv-google-tv-devices/


Google un-bans Downloader app, but developer still mad about “broken” DMCA | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/06/google-un-bans-downloader-app-but-developer-still-mad-about-broken-dmca/

Amazon Fire TV関連のニュースを取り扱うウェブメディア・AFTVnewsが開発したダウンローダーアプリである「Downloader」は、マウスやキーボードを使わずにリモコンでウェブブラウザを操作し、インターネット上のファイルを簡単にダウンロードできるというアプリです。「Downloader」はGoogle PlayやAmazonのアプリストアで配信されており、Google Playでは2023年5月の時点で500万回以上ダウンロードされていたとのこと。


ところが5月19日、「Downloader」はデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に基づく申し立てを受けてGoogle Playから削除されてしまいました。

Google bans Downloader app after TV firms complain it can load a pirate website | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2023/05/google-bans-downloader-app-after-tv-firms-complain-it-can-load-a-pirate-website/


この申し立てはイスラエルのテレビ会社からGoogleに送られていましたが、その主張は「ユーザーが著作権を侵害した海賊版コンテンツの配信サイト・SDAROTにアクセスすることを可能にする」というものでした。開発者のエリアス・サバ氏はテクノロジー系メディアのArs Technicaに対してGoogleの通知を見せ、「DMCAの説明部分を見ると、『アプリがウェブサイトを読み込むことができる』という理由だけが示されていることがわかります」と述べ、アプリからウェブサイトにアクセスできるだけでDMCAの申し立てを受けるのはおかしいと主張しました。

「Downloader」は基本的なファイルマネージャーとウェブブラウザを組み合わせたアプリですが、デフォルトのホームページはAFTVnewsに設定されており、それ以外のウェブサイトを表示するにはユーザー自身がブラウザを操作する必要があります。そして、SDAROTのウェブサイトにアクセス可能なのは「Downloader」に限ったことではなく、Google自身が開発するChromeからでもアクセス可能です。

そのため、Saba氏は「標準のウェブブラウザで著作権侵害コンテンツを含むウェブサイトを読み込むだけでDMCAに違反するならば、Google Chromeを含むGoogle Playストアにあるすべてのブラウザも削除する必要があります。これはばかげた主張であり、DMCAの乱用です」と主張しています。


Saba氏はすぐにGoogleへ異議を申し立てたものの、最初の申請は約1時間後に却下されてしまい、続いて別の異議申し立てを行ったとのこと。その結果、6月7日にはアプリの一時停止が解除されたものの、今度は「このアプリはユーザーに明示せずメールアドレスを収集している」と指摘されました。「Downloader」は特にユーザーのメールアドレスを収集してはいなかったそうですが、Saba氏は「ウェブサイトのログインにメールアドレスを入力するフォームがあるからではないか」と推測しています。

いつまでもGoogleと議論しているとアプリの復活がさらに遅れてしまうため、Saba氏はアプリの説明欄を更新して「メールアドレスを収集する」と記したとのこと。すると6月8日、ようやくGoogle Playでアプリがダウンロードできるようになりました。結局「Downloader」は約20日間にわたりGoogle Playから締め出されてオフラインになっており、その間にアクティブユーザーが47%も減ってしまったとSaba氏は主張しています。

Ars Technicaがこの件についてGoogleに問い合わせたところ、担当者は「DMCAが定めるプロセスに従い、法律の下で両者がそれぞれのオプションを行使できるようにしました」と電子メールで述べ、プロセスに問題はなかったと説明したとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Google Playから突如アプリが削除された開発者が猛抗議、身に覚えがない「アプリ内広告に関する詐欺的行為」により - GIGAZINE

Google Playで数十件のAndroidアプリがユーザーの情報をこっそり外部に送信していたことが発覚して削除される - GIGAZINE

Googleが要件を満たさない古いアプリをGoogle Playで非表示にする予定 - GIGAZINE

Google Playで2週間にわたりアプリの更新対応をさせられたデベロッパーが怒りを表明 - GIGAZINE

アプリが「開発者がいやらしい言葉を使った」とGoogleから勘違いされ突然削除される、問題のワードとは? - GIGAZINE

Google Playから「寄付ページへのリンク」が含まれるアプリが削除される - GIGAZINE

Googleが2024年からAndroidアプリに「アカウントとデータを消しやすくする方法の追加」を義務づける新ポリシーを発表 - GIGAZINE

Appleが長期間アップデートされていない古いiOSアプリを削除する基準と猶予期間の延長を発表 - GIGAZINE

Appleが「アプリ内でアカウント削除を可能にすること」を必須に、開始時期は? - GIGAZINE

in モバイル,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by log1h_ik

You can read the machine translated English article here.