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Googleがハードウェア部門を増強しGoogleアシスタントを縮小方針であることが明らかに、Androidでは弱小メーカーが軽視される可能性も


Googleは2022年10月に、独自開発のスマートフォン「Pixel 7/7 Pro」やスマートウォッチの「Pixel Watch」を発売しました。このように、近年Googleは独自開発のハードウェアに注力しているわけですが、これはAppleとの検索契約を失う危険や、Android最大のシェアを保有するSamsungがiPhoneにスマートフォン市場のシェアを奪われつつあるためであると報じられています。

Facing Threat From Apple, Google Tries New Hardware Playbook — The Information
https://www.theinformation.com/articles/facing-threat-from-apple-google-tries-new-hardware-playbook

Report: Google “doubles down” on Pixel hardware, cuts Google Assistant support | Ars Technica
https://arstechnica.com/gadgets/2022/10/report-google-doubles-down-on-pixel-hardware-cuts-google-assistant-support/

Google is reportedly shifting its focus to hardware at Assistant's expense | Engadget
https://www.engadget.com/google-hardware-focus-shift-211515181.html

Googleのサンダー・ピチャイCEOは、会社全体でコストを削減する必要があると述べ、2022年8月にはGoogle社内で新しいプロジェクトをスタートするための社内インキュベーターとして機能しているエリア120の人員を削減したことが報じられています。その後も、Googleは独自開発のノートPCであるPixelbookの開発を中止したり、クラウドゲームサービスのStadiaを終了したりと、コスト削減に励んできました。

この裏には、Googleの最大のAndroidパートナーであるSamsungの不振があります。Samsungが複数の市場でシェアを落としている一方で、Appleは2022年第3四半期に全世界の1000ドル(約15万円)以上のハイエンドスマートフォン販売シェアの78%を占めるという圧倒的な成功を収めています。Googleはこの「Androidがシェアを落とし、iPhoneがシェアを拡大する」という動向を問題視しているとThe Informationは指摘。

また、GoogleはiPhoneのブラウザアプリであるSafariでデフォルトの検索エンジンとしてGoogleが採用されるために、Appleと数十億ドル(数千億円)規模の契約を結んでいます。しかし、この契約が独占禁止法に違反するのではないかと規制当局の調査対象になっており、もしも契約がなくなってしまえば、Googleの検索広告の売上にも大きな影響を与える可能性があります。


これらの問題に対処するため、Googleは独自ハードウェアのPixelシリーズへの投資を2倍にしているとThe Informationは報じています。Pixelシリーズへの注力のため、「Googleはハードウェア部門以外の製品開発スタッフやソフトウェアエンジニアリングスタッフをPixel部門へ移動させている」とのこと。なお、このあおりを受けることとなっているのが、サードパーティーのハードウェア開発部門だそうです。

The Informationが情報筋から入手した情報によると、Googleアシスタント開発部門のSissie Hsiaoヴァイスプレジデントおよび上級幹部は、GoogleアシスタントおよびGoogle TVに割く人員を減らすことを検討しているそうです。これに対して、Ars Technicaは「検索はGoogleが広告に次いで2番目に気に入っているプロダクトであるため、そのひとつであるGoogleアシスタントへの投資を減らすという決定は信じがたいことです」としています。


Googleが自社製ハードウェアの開発に注力する方針であることは明らかですが、報道によると既存のハードウェアメーカーを完全に切り離すというわけではないようです。The Informationは「GoogleはSamsungと中国のブランドであるOnePlusおよびXiaomiを最高のプレミアムAndroid端末パートナーとしています。つまり、Googleから同様の注目を集めることができない他メーカーの長いリストが残されたままとなっています」と報じています。

Googleがお気に入りのハードウェアメーカーを選ぶことは、Googleのスマートウォッチ向けOSの最新バージョンであるWear OS 3のロールアウト時にも行われていました。Wear OS 3はリリースから約1年にわたりSamsung専用のOSとして提供されており、Fossilのような小規模なOEMは完全に取り残されていました。GoogleがPixel Watchをリリースしたのち、ようやくFossilもWear OS 3搭載のスマートウォッチを発売できるようになりましたが、Wear OS 3はフィットネス関連機能を統合していないため、Fossilの最新スマートウォッチではフィットネス関連機能が利用できません。一方、GoogleはPixel WatchをFitbitアプリと連携することでフィットネス関連機能を利用できるようにしています。

Google Pixel WatchとFitbitアプリを使って睡眠や心拍数を計測したり運動したりしてみたよレビュー - GIGAZINE


なお、The InformationはGoogleにコメントを求めていますが記事作成時点では返答は得られていません。

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in モバイル,   ソフトウェア,   ハードウェア, Posted by logu_ii

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