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Netflixがロシアの国営放送チャンネル配信を拒否、ウクライナ侵攻が理由

by inmediahk

2022年2月28日にNetflixが、「ロシアの配信事業者は国内メディアの番組を配信しなければならない」とするロシアの法規制に反して、ロシアの番組の配信を拒否することを発表しました。Netflixは、ロシアの通信規制当局の指示に従わないことを決めたのはウクライナ侵攻が理由だとしています。

Netflix Won’t Add Russian Broadcasters to Service, Defying New Regulation - WSJ
https://www.wsj.com/articles/netflix-wont-add-russian-channels-to-service-defying-new-regulation-11646076964

Netflix Declines to Carry Russian Propaganda Channels - Variety
https://variety.com/2022/tv/global/netflix-russian-propaganda-channels-1235192082/

Netflix says it will not stream Russian propaganda channels - The Verge
https://www.theverge.com/2022/2/28/22955398/netflix-russian-propaganda-channels-ukraine-invasion

ロシアの通信規制当局は2021年12月に、Netflixを政府の規制の対象となる「視聴覚サービス」に指定しました。これにより、Netflixは2022年3月1日からロシア国内向けに制作された20の国営チャンネルを配信することを義務づけられました。

ロシアが国営放送の提供をNetflixに要求 - GIGAZINE


ロシア政府が監督する番組の放送開始期限を翌日に控えた2月28日に、Netflixは「ロシアで提供するサービスにロシアのチャンネルを追加する予定はない」と発表しました。

安全上の理由により氏名の公表を控えたNetflixの広報担当者は、メディア向けの声明の中で「現在の状況を踏まえると、ロシアのチャンネルをサービスに追加する予定はありません」と述べて、今回の対応はロシアが2月24日にウクライナに侵攻したことを受けてのものとだと説明しました。

ロシアは2020年に、ロシア人利用者が10万人を超える動画配信サービスに対してロシアの国営メディアが制作した20のチャンネルを配信することを義務づける法律を制定しました。しかし、条件に合致するサービスは記事作成時点では2020年にロシアでサービスを開始したNetflixしかないため、この制度はNetflixに対してロシア寄りの情報発信を強要することを念頭に置いたものだと指摘されています。


エンターテインメント情報を扱うニュースメディアのVarietyは、Netflixに追加される予定だったロシアの番組について、「20のチャンネルには、クレムリンと提携しているチャンネル1、同国の放送局のNTVの番組、およびロシア正教会が運営するチャンネルであるSpaが含まれており、特にチャンネル1はプーチン大統領の宣伝を放送する可能性が高いと考えています」と分析し、Netflixがロシア政府の指示に従っていたらロシアのプロパガンダが配信されていたとの見方を示しました。

ロシアの通信規制当局は2月26日に、ウクライナへの攻撃を「暴力、侵略または宣戦布告」と表現するメディアの報道を削除するか、または罰金を命じることを発表しています。またFacebookは、親会社のMetaがファクトチェックの停止を要求するロシア政府の命令に従わなかったため、ロシアで部分的にブロックされています。

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in ネットサービス, Posted by log1l_ks

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