ネアンデルタールと現生人類は交配していた、遺伝子研究で明らかに
by Pabo76
現在世界中に暮らしている人類はすべてホモ・サピエンス(Homo Sapiens)に分類されますが、約3万年前まではネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)も暮らしていました。
Genetic research confirms that non-Africans are part Neanderthal
従来、約25万年前から約3万年前に生きていたネアンデルタール人と、約25万年前に誕生したホモ・サピエンスは、人間とチンパンジーのように似ているが別々の種族であると考えられていました。しかし、2010年に現生人類にはネアンデルタール人類の遺伝子が混じっているという研究成果が発表されており、今回、それを改めて確証づける論文が発表されました。この論文は「Molecular Biology and Evolution(分子生物学と進化)」7月号に掲載されます。
これによると、Damian Labuda博士率いるモントリオール大学病院小児科とCHUサント・ジュスティーヌ研究センターの合同チームが、アフリカ以外の人々からネアンデルタール人類由来のX染色体を確認しました。Labuda博士によると、これは現生人類とネアンデルタール人類が交雑(交配)していたとする近年の発表を裏付けるもので、おそらく中東あたりで交わったのではないかとのこと。
疑問としては「ネアンデルタールは個別の種だったのか、そして現生人類と交配できたのか」という点がありますが、Labuda博士はこれに「答えはイエスです。2つの種族は非常に緊密な関係にあったでしょう」と答え、「我々の手法はネアンデルタールの資料にまったく依らなかったので、以前の成果が人工物汚染の影響を受けていなかったとも結論づけられます」とも付け加えました。
ネアンデルタール人は種としては約2万数千年前には滅亡していますが、その遺伝子は今も我々の中で脈々と生き続けているようです。
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