取材

京都三大祭の最初を飾る「葵祭」、京都御所を出発する総勢500名以上の雅な行列をフォトレポート


唐突に「そうだ、京都の葵祭に行こう!」ということで京都御所にやってきました。

葵祭は祇園際、時代祭とともに京都の三大祭りとして有名で、日本の祭の中でも特に優雅典麗で古趣に富み、古くから文学史上にも名高い祭。今回の行列「路頭の儀」は勅使・斎王代をはじめとして検非違使・内蔵使・山城使・牛車など、平安朝貴族そのままの姿の500人以上が列を作り、京都御所を出発した王朝風の優雅な行列が市中を巡行するというもの。国内からだけでなく海外からの観光客も多く、京都御苑・下鴨神社、そして上賀茂神社や沿道には豊かな国際色が見られるようになることでも有名で、行列の通る道は随時交通規制が実施されるという次第。


ちなみに、この葵祭のヒロインともいえるのが斎王代(さいおうだい)。今年の第54代斎王代は裏千家の千宗室家元の長女で立命館大4年の千万紀子さん(21歳)だそうです。

というわけで、葵祭の様子は以下から。

最終更新 2009/05/15 12:15
京都御所に突入


すでに大量のカメラマンおよびカメラ愛好家、そして報道陣が陣取っています。


当日券売り場はこんな感じ。午前10時頃には完全になくなるらしい。


1席2000円。


これが有料の席


観覧席の案内図


これが堺町御門、ここから行列は出て行くわけです


堺町御門のいわれ


海外からの人もすでに山のように来ています


行列が来るちょっと前までは横断することも可能です


9時頃の様子。人だらけ。


上空にはヘリコプターが。


10時10分頃、馬に乗った京都府警が登場


観光客の注目を一身に浴びていました


ここを行列が通ってくるわけですね


2009/05/15 10:31
配布されている予定のプログラムでは10時半から開始になっているのでそろそろ始まるかと。

2009/05/15 10:35
もうスタートしているらしい。写真撮影開始。

2009/05/15 10:42
来ました


とんでもないことになっています、落ち着け


非常にゆっくりと移動中


2009/05/15 10:55
本列が見えてきました。「乗尻(のりじり)」というのが行列を先導する騎馬隊で上賀茂神社の競べ馬の騎手。


こちらのオレンジ色の衣装も「乗尻」。左方(さかた)と右方(うかた)は競争相手なので衣装が違っているんだそうです。


2009/05/15 11:06


乗尻が落馬してしまったのか、カラ馬が一頭。


行列の先払いを務める「素襖(すおう)」だと思われる人。藍色の竜の模様がついた衣と袴のことを素襖と言うそうです。


この乗馬している青い衣装の人が「検非違使志(けびいしのさかん)」、警察や裁判を司る人です。馬を引いているのは「舎人(とねり)」。


桃色や草色の衣装をつけているのが衛門府の兵士「衛士(えじ)」や検非違使庁の下級役人「火長(かちょう)」でしょうか。


橙色の衣装は「検非違使尉(けびいしのじょう)」。検非違使志が六位の官なのに対して、検非違使尉は五位の官で上役にあたります。


次は「山城使(やましろつかい)」の一団が見えてきました。


2009/05/15 11:14


中央、赤い衣装の人が「山城使」。御所を出ると国司の管轄である洛外になるので、警護のために行列に加わったのではないかと考えられているそうです。周りには馬副(うまぞい)、手振(てふり)、雑色(ぞうしき)、白丁(はくちょう)らを従えています。


これが「御幣櫃(ごへいびつ)」。御幣櫃というのは宮中から賀茂別雷神社(上賀茂神社)賀茂御祖神社(下鴨神社)へ納める御幣物の入った唐櫃。白丁が担いでいます。


「内蔵寮史生(くらりょうのししょう)」。御幣物を司る役所である内蔵寮の役人です。


その後ろからは二頭の馬が人を乗せずに牽かれてきました。これは両神社の神前で走りを神々に見せる「走馬の儀」で用いられる走馬(そうめ)で、頭と尾に葵・桂・紙垂れをつけています。


2009/05/15 11:20


走馬を司る「馬寮使(めりょうつかい)」。


牛車がやってきました。


軒に藤花、杜若、紅梅、白梅などの風流を飾り付けており、車輪の音をたてながらゆっくりと進んでいきます。勅使の乗る車なのですが、実際には勅使は乗っておらず、行列を立派にするために引き出されているそうです。


その後ろからは替牛が続きます。


緋色の衣装の「舞人(まいびと)」。東遊(あづまあそび)を舞う武官で、合計6名います。


2009/05/15 11:22
誰か倒れた模様。救急車が来ました。


2009/05/15 11:28
勅使が行列中で最高位なのですが、実際は勅使は行列に参加しておらず、近衛使がその役割を務めているとのこと。


こちらの馬は「牽馬(ひきうま)」。勅使(近衛使)が帰路に乗り換える馬です。


2009/05/15 11:48
「風流傘(ふりゅうがさ)」。大きな傘の上に紺布を張り、錦の帽額総(もこうふさ)などをかけわたし、さまざまな造花を盛ったもの。


馬上の人物が「陪従(べいじゅう)」。雅楽を奏でる武官です。


「内蔵使(くらつかい)」は内蔵寮の次官。御祭文を捧持する役。


2009/05/15 12:15


もう一つの風流傘。これが本列の最後で、ここより後ろは斎王代列となります。


ということで、遠くからゆっくりと近づいてくるのが斎王代列。


花傘をかけられているのが「命婦(みょうぶ)」。内侍司の中級女官。


傘をかけられていないのは「女嬬(にょじゅ)」、食事を司る女官です。


ぞろぞろと歩いてくる童女(わらわめ・めのわらわめ)。


「斎王代(さいおうだい)」は腰輿(およよ)と呼ばれる腰に乗り、桧扇を持っています。今年の第54代斎王代には裏千家家元・千宗室さんの長女で立命館大学4年・千万紀子(せんまきこ)さんが選ばれました。


その後ろに「騎女(むなのりおんな)」という斎王付きの巫子が続きます。騎馬で参向するためにこの名がついているそうです。


「蔵人所陪従(くろうどどころべいじゅう)」。斎院の物品を司る蔵人所で、雅楽を奏でる文官。


斎王の牛車。


これで斎王代列もおしまい。後からは救急車が出ていきました。


撮影したムービーもエンコードが終了次第、記事化しますので乞うご期待。

・つづき
たかが牛車されど牛車、京都の「葵祭」が存続の危機に立たされるほど重要だった牛車のムービー

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in 取材, Posted by darkhorse

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